バリアレスシティコンペ2020入賞者発表(2020.06.18 )
〇最優秀賞 「煌めく面影」
小林美月・千葉綾人 東京電機大学・日本大学
〇審査員賞
・ディック・オランゴ賞 「MASKARADE」
・劒持良美賞 「みちのトマリバ」
・本間正広賞 「街のairdrop 写真展日常とともに旅するコミュニケーション」
・本多健賞 「diffusing cosmos
拡散する秩序」
各賞入賞者5作品は以下の作品です。
〇煌めく面影(最優秀賞)
小林美月・千葉綾人
東京電機大学・日本大学
コロナの影響で、旅行やコミュニケーションが躊躇されつつある。そこで、足を伸ばしやすい近場から旅行を始め、まずは地元住民が地域に賑わいを生むことをコンセプトとし、間接的に人との繋がりを感じられるような場を提案する。公園に、一定間隔を保ったセンサー兼ホログラムライトを配置し、昼間の人々の滞在時間を記録。夜になると、人々が活動していた場所に光が灯る。滞在時間が長いほど、光量と照光範囲は大きく、光は下の方に集まる。居場所が見つけづらい夜の公園も、昼間の人の居場所を手がかりに、使いやすくなる。夜の賑わいが増える。これまで画一的に照らされていた夜の公園が、人々の活動によって多様で快適な居場所へと変化する。
〇MASKARADE 後藤祐作
(ディック賞)
コロナによるマスク着用が恒常化された社会において、マスクという物理的なコミュニケーションのバリアが発生する。そこで、AR技術を用いて登録された本人の口の動きや表情を、スマートフォン越しにマスク上に投影することで、マスクがコミュニケーションのきっかけを促すツールとなるアプリの提案を行う。
仮面舞踏会を意味するMASQUERADEならぬ、マスクをつけていてもコミュニケーションが促されるMASKARADEな社会では、簡単な自己紹介や観光案内など、日本人が苦手とする外国人との会話の最初の一歩を助けてくれるのではないだろうか。マスクという物理的バリアが、精神的なバリアレスに繋がっていってほしい。
〇みちのトマリバ 大崎真幸
(劒持賞)
歩車道の境界であるガードレールに人々の停まり場となるストリートファニチャーを提案する。
ただの境界であったガードレールは様々な仕掛けを施すことで人々が緩やかにつながる「みちのトマリバ」となる。
〇街のairdrop 写真展日常とともに旅するコミュニケーション
(本間賞)
田中歩実・柴垣映里奈 芝浦工業大学
airdrop等の写真の共有によってみんなで作り上げる空間。言語や文化の違いから生まれる心のバリアをなくし、”気づいたら通っていた”そんな敷居の低い場所を目指す。さらに写真を通して日常に触れることでコロナによる対人恐怖感を薄め人との繋がり、関わりを持つきっかけとなる。
〇diffusing cosmos 拡散する秩序
(本多賞)
多和田 健人 横浜国立大学
地中照明のグリッドシステムと光を拡散するソファによって誰にでも適切な距離と密度を保ちつつ、豊かなアクティビティが生まれるための緩やかな場の秩序を誘導する。空気で膨らみ、移動できるソファと照明システムを提案する。
はじめに舗装にLED照明をグリット状に埋め込む。フロスト加工されたソファをその照明の上に置くと光が周囲に拡散する。この現象がユーザーをグリッドの上に誘導し、軽いソファは距離の微調整を可能にする。誰かにとってのベンチは、誰かにとってのバリアになりうる。逆に誰かにとっては邪魔なものが、他の誰かが休むための居場所になる。異なる人々が同じ場所で過ごす時間に生まれる新しいコミュニケーションのためのcosmos。
バリアレスシティコンペ2020の審査員の票が入った上位17案を公開します。
審査日は6月10日に決定。この中から、最優秀案を決定したいと思います。
お名前は控えるので、作品タイトルだけ公開です。
○最優秀賞候補
複数の審査員の票が入った、上位作品は、以下の作品です。
・煌めく面影
・diffusing cosmos
拡散する秩序
・MASKARADE
・Shutter Theater
・みちのトマリバ
・街のairdrop 写真展日常とともに旅するコミュニケーション
・Laughter and Sharing
・まちの連続した「窓際」をつくる
・心がつながる「つながっき」
・Hold Hands Desk 〜手と手でつながるデスク〜
・まわる、めぐる
・みんなのモバイルバッテリー
・びょうぶべんち
・蔀戸を活用した開放的なコミュケーション空間
・AMEBACHAIR 体組成の分かる可変可能な家具
・あなたの香り
・街の中のほっとする時間
最終審査まで少々お待ちください。
バリアレスシティコンペティション2020の応募、ありがとうございました。
応募総数56案。皆さんの心のこもった提案書を審査員一同、審査させていただきます。
結果発表まで少々お時間をください。6月初旬を目標にしていますが、コロナの影響で、多少遅れる可能性もあります。ご了承ください。
2018最優秀案 ~多世代家族向けのバリアレスホテル~
「外部に見立てた「土間サロン」が作る多様な奥行き感のある部屋」福山 振一郎
最優秀案が形になりました!実際に泊まることができます。
Photo_Ikunori Yamamoto 撮影/山本育憲
いよいよ今年は、2020年
世界中から、旅行者が日本にやってくる…
はずでした…。
私たちは段差や狭さなどの物理的な障害(バリア)だけでなく、
言語や文化の違いも含めた様々な「バリア」がある中で、
全ての旅行者に対して、デザインで貢献できることを模索してきました。
それは、バリアを取り除き、移動を円滑にすることだけでなく、
その先に、いかに楽しい「経験」や「体験」を提供できるのかも含まれます。
一昨年はホテルの客室をテーマとし、実施コンペを開催
最優秀案は、バリアレスな空間として、人気の部屋になっています。
また、昨年は、京都でバリアフリーツアーを開催し、
障がい者の声を直接集める活動をしました。
5年目を迎えるバリアレスシティ コンペティションは、
大変な時期に開催となります。
新型コロナウィルス感染症の猛威は、旅行者だけで無く、
身近な街の人たちとの間にも、偏見というバリアを生んでいます。
そこで、
テーマを「つながるコミュニケーションファニチャー」
とし、アフターコロナ(2020年以降)の社会を見据えた
町の中の仕掛けをデザインしてほしいと思います。
2020課題文
旅の楽しみとはなんだろう?
「観光地巡り」「文化体験」「美食巡り」いろいろあるが、
「見知らぬ人との出会いや会話」 も魅力の一つではないだろうか?
近年スマホ検索が浸透し、効率よく旅することが可能な世の中だ。
しかし、地元の人や他の旅行者が教えてくれる、
旬の情報、地域の情報こそ、旅を面白くするスパイスになる。
しかし、2020年。新型コロナウィルスに
人々は萎縮し、恐怖し、偏見を生んでいる。
病気も怖いが、それ以上に
人と人をつないでる大切なものを奪っている気がする。
そこで、今年のテーマは、
「 つながるコミュニケーションファニチャー 」
とする。
ホテルや駅、空港、公園や街路などの公共空間を想定し、そこに
誰もが参加でき、様々なコミュニケーションが発生する家具を考えてほしい。
便宜上、家具としたが、グラフィックや建築、アプリ、映像など分野は問わない。
コミュニケーションも、隣人との会話もあるだろうし、
過去や未来の来訪者との接点を生むこともあるだろう。
また、SNS等を利用すれば地域を越えたコミュニケーションも可能となる。
コミュニケーションこそバリアレスシティへの第一歩である。
「旅の情報」を得ることと同時に、「文化/言語」、「障害の有無」、「性別」、「偏見」等
様々な差異やバリアを乗り越え、
笑顔で人がつながる提案を期待している。
●テーマ
「つながるコミュニケーションファニチャー」
●審査員
Dick
Olango(建築家、AOAD)
劒持良美(インテリアデザイナー、SOL
style)
本間正広(車いすテニス選手、一級建築士)
本多
健(建築家、本多健建築設計室)
●賞
・最優秀賞(1点)10万円 賞状
・優秀賞(7点程度)賞状
※入賞者の作品を掲載した出版物を作成
※新型コロナウィルスが収束したのちに、展示などのイベントを企画予定
※入賞者の作品は実施も検討する
●提案書
※3MB以内のjpegファイル
※A3サイズ(横向き、1枚)
※図面表現は自由
※下記の必要事項を明記
コンセプト(300字以内)・タイトル(30字以内)・基本情報(氏名など)・平面図(50分の1程度)・内装の色彩がわかるパース・模型写真・展開図・スケッチなど
Barrierless City バリアレス シティとは?
Barrierless Cityは、「誰もが自由に訪れ、楽しめる都市」です
旅行者(高齢者/障がい者/健常者・外国人/日本人)が
快適に都市を楽しむ為に、「飲食」「宿泊」「観光」における、
物理的障壁、及び心理的障壁を無すことを目的としています。